理事長挨拶
今年度より、正富 隆前理事長の後任として、一般社団法人日本肘関節学会第8代理事長を拝命いたしました。身に余る光栄とともに、伝統ある本学会の更なる発展に努めるという重責に、身の引き締まる思いでおります。この大任を果たすには、会員の皆様のご支援とご協力が何より重要であります。何卒、よろしくお願い申し上げます。
本学会は、1989年に田島達也会長のもと第1回日本肘関節研究会学術集会が開催されたことを起点として、2004年には阿部宗昭先生を初代理事長として「日本肘関節学会」が発足いたしました。その後も順調に発展を遂げ、2021年4月からは稲垣克記第6代理事長のもと、「一般社団法人日本肘関節学会」として新たな一歩を踏みだしました。現在、会員数は1,500名に達し、肘関節に特化した世界でも類を見ない学会として、国際的にも高い評価を得ております。
今後さらに本学会を発展させていくためには、いくつかの重要な課題に積極的に取り組む必要があります。私が考える本学会の本質的課題は、以下の5点です:1)若手Elbow Surgeonの育成、2)次世代リーダーの養成、3)学術活動の更なる充実、4)国際的地位の向上、5)学会運営基盤の安定化。これらの課題に取り組むにあたっては、役員のみならず、評議員をはじめとする会員の皆様からのご意見・ご提案を広く取り入れてまいりたいと存じます。
また、本学会の重要な使命のひとつとして、会員の研究成果や活動を社会に還元し、国民の健康と福祉に寄与することが挙げられます。現在全国で実施されている「野球肘検診」は、成長期における肘関節障害の早期発見・早期治療に貢献しており、その重要性は広く社会にも認知されつつあります。今後は、「野球肘検診」に加えて、職業性肘関節疾患・障害などに対する検診や啓発活動にも取り組んでいく必要があると考えております。
こうした課題への対応や社会に向けた活動の一層の活発化こそが、本学会の更なる発展に繋がると確信しております。理事長としての任期は限られておりますが、会員の皆様と力を合わせ、全力で職責を理事長としての責務を全うしてまいります。長文となりましたが、以上を持ちまして、理事長就任のご挨拶とさせていただきます。
一般社団法人日本肘関節学会
理事長 岩崎 倫政
(北海道大学大学院医学研究院整形外科学教室)